メイクで隠し切れない目の下のクマが気になっている方は多いもの。クマ取りの施術は効果を実感しやすく、見た目の印象も大きく変わるため魅力的ですが、一方でデメリットやリスクが存在するのも事実です。
特に「痛みや腫れはどれくらい?」「後悔するケースは?」など、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、まずクマ取りとはどのような施術なのかを紹介し、デメリットや注意点、施術前に知っておきたいポイントについても解説します。
クマ取りとは?
クマ取りとは、目の下の影の原因となる脂肪や凹みを整えることで、老けた印象や疲れた印象を改善する美容医療の施術です。見た目の印象が大きく変わるため、近年は若年層から中高年層まで幅広い年代で人気があります。1回の施術で効果を実感しやすく、効果が長期的に持続するためクマに悩む人にとって、有力な選択肢のひとつです。
クマの種類
クマは大きく「茶クマ」「青クマ」「黒クマ」の3種類があり、それぞれ原因が異なります。
■クマの見分け方
種類 | 原因 | 見分け方 |
茶クマ | 紫外線ダメージや摩擦による色素沈着 | 目の下を引っ張っても色が変わらない |
青クマ | 血行不良で目の周りの血管が青黒くなる | 目の下を軽く引っ張ってみるとクマが消える |
黒クマ | 目の下の眼窩脂肪の膨らみ、加齢や骨格による凹みで影ができる | 顔を上に向けた状態で鏡を見ると、クマの色が薄くなったりなくなったりする |
クマ取りの施術が効果的なのは、青クマや黒クマに対してであり、脂肪の除去や移動、凹みへの脂肪注入などによって改善が期待されます。茶クマは色素沈着が主な原因のため、美容皮膚科での施術(ピーリングやレーザーなど)での改善が見込めるでしょう。
ただし、クマは2種類以上が併発していることもあるため、自分で種類を判断するのは難しい場合もあります。わからない場合はクリニックで医師に相談してみてください。
クマ取り施術の主な種類
クマ取りには、原因や希望する仕上がりによって複数の施術法があります。代表的な方法は以下の通りです。
・経結膜脱脂法
まぶたの裏側(結膜側)から脂肪を取り除く施術方法で、皮膚に傷が残らないのが特徴です。ダウンタイムが比較的短く、初めてのクマ取りに選ばれるケースが多く見られます。
・裏ハムラ法
脂肪を取り除くのではなく、目の下の凹みに移動させてなめらかな目元に整える方法です。自然な仕上がりを求める人に人気があります。
・切開ハムラ法
皮膚側を切開して脂肪を移動し、皮膚のたるみも同時に改善する方法です。クマだけでなく加齢に伴う複合的な悩みに対応できる一方、ダウンタイムはやや長めになります。
・脂肪注入
目の下の凹みに自身の脂肪を注入して、影を目立たなくする方法です。ほかの施術と併用するケースがほとんどです。
クマ取りのデメリット
クマ取りの施術には多くのメリットがありますが、医療行為である以上、デメリットやリスクも存在します。施術を検討する際は、こうした点を事前に理解した上で判断することが重要でしょう。ここでは、代表的なクマ取りのデメリットについて解説します。
痛みがある
手術時は笑気麻酔や静脈麻酔を選択できるクリニックが多いです。また、局所麻酔を使用するため、術中に強い痛みを感じることはほぼありませんが、術後には腫れや内出血に伴う鈍痛や違和感を覚えることもあるでしょう。安静に過ごしていれば、強い腫れや内出血などは2週間程度で、長くても1ヵ月程度で落ち着くことがほとんどです。
▶︎クマ取りのダウンタイムはどれくらい?期間と過ごし方を解説
ダウンタイムがある
施術後には腫れや内出血などが生じるダウンタイムがあります。ダウンタイムの長さや症状の程度は施術方法によって異なります。例えば、経結膜脱脂法は比較的軽度で済む一方、切開を伴う施術ではダウンタイムが長くなりやすい傾向です。ダウンタイムの長さによっては、予定の調整が必要となる場合もあるため、あらかじめ余裕を持った施術スケジュールを組んでおくことが大切です。
クマが再発することがある
クマ取りの施術は一度で効果を感じやすい一方で、年齢とともに再び脂肪が前方に突出したり、目元の皮膚がたるんできたりすることもあります。施術後に絶対にクマが再発しないというわけではなく、加齢などで状態が変化する可能性がある点を理解しておくことが重要です。
左右差が出る可能性がある
人間の顔は本来、左右対称ではないため、施術後、目元に微細な左右差が生じることがあります。見てすぐにわかるような左右差は出ませんが、完全に左右対称にはならないことは押さえておきましょう。
特に目の下という繊細な部位では、わずかな差でも気になる場合があるため、仕上がりのイメージは医師とよくすり合わせておく必要があります。
目の下の小ジワが増える可能性
脂肪を取り除くことによって目の下のボリュームが減少すると、それに伴って小ジワが目立つようになるケースもあります。特に皮膚のハリがもともと少ない方や、年齢肌の兆しがある方はリスクを理解しておきましょう。
合併症のリスク
クマ取りは医療行為であり、かなりまれに合併症が発生することがあります。
大きな合併症としては、術後血腫です。ダウンタイムの一般的な腫れと異なり、ボール状の大きな硬い腫れが生じます。そのまま血腫を放置してしまうと、眼痛・視野障害に繋がり、放置してしまうと最悪の場合、視力低下や失明につながる可能性があるため注意が必要です。
また、施術の際に眼窩下神経や下斜筋を損傷するリスクも。眼窩下神経を損傷すると目の周りにしびれや感覚異常などが出ることがあるほか、下斜筋を損傷すると、目の動きの調整機能が損なわれて、眼球運動に影響が出る可能性があります。
これらが発生する可能性は限りなく低いものの、ゼロではありません。経験豊富な医師を選ぶこと、リスクについてもしっかり説明を受け、納得の上で施術を受けることが重要です。
クマ取りの施術前に知っておくこと
どれだけ医療技術が進歩していても、施術を行うのは人間であり、結果には個人差があるものです。ここでは、クマ取りのデメリットを避けるため、施術を受ける前に確認すべき事項を紹介します。
信頼できる医師・クリニックを選ぶ
最も重要なのは、経験豊富で信頼できる医師・クリニックを選ぶことです。クマ取りはデリケートな施術であり、医師の技術力が仕上がりに直結します。信頼できる医師やクリニックを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。
・過去の症例数や実績
多くの施術経験がある医師は、トラブルへの対応力も高く、仕上がりの再現性も期待できます。実績を調べるには、クリニックの公式サイトやSNS、症例写真などを確認するのがおすすめです。
・口コミやSNSでの評判
実際に施術を受けた人のリアルな体験談は非常に参考になります。良い面だけでなく、悪い評判も含めて確認し、総合的に自分に合うクリニックや医師を見つけましょう。
カウンセリングの重要性
満足のいく結果を得るには、施術前のカウンセリングが重要です。希望のデザインや仕上がり、現在の悩みなどを正しく医師に伝えることで、より自分に合った方法を提案してもらえます。カウンセリングでは、以下のポイントが重要です。
・不安や疑問はそのままにしない
施術内容、リスク、ダウンタイムの期間や症状、費用など、気になる点は遠慮せず聞き、施術前にすべて確認しておきましょう。「なんとなく不安だけど大丈夫だろう」と曖昧なまま進めると、後悔につながる可能性があります。
・医師との相性もチェック
医師とのあいだで信頼関係が築けるかどうかも、仕上がりの満足度に影響します。どれだけ評判のいい医師でも、自分が話しにくい、信頼できないと感じる場合は、別のクリニックを検討してもいいでしょう。何かあった時に、遠慮なく相談、経過観察をしていただける医師を選ぶことがおすすめです。
クマ取りはデメリットも理解した上で検討しよう
クマ取りは、一度で目元の印象を改善し、若々しい表情を取り戻すことができる人気の美容施術です。しかしその一方でいくつかのデメリットも存在します。
施術を受けるかどうかを判断するには、こうしたリスクを正しく理解することが大切です。また、信頼できる医師やクリニックを見つけ、納得のいくまでカウンセリングを行うことで、後悔のない選択につながります。クマ取りを検討している方は、デメリットにも目を向けて慎重に情報収集し、自分に合ったクリニックや医師を見つけましょう。
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院長 酒井 知子
外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。