目の下のクマを治療することで、顔の印象を大きく改善することができます。クマがあると実年齢より老けて見られたり、疲れた印象を持たれたりしがちなため、クマ取りの施術を検討している方も多いかもしれません。
しかし一方で、SNSなどでは「クマ取りに失敗した」という口コミや体験談も見られ、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。クマ取りは見た目の印象を大きく左右する施術だからこそ、事前に正しい知識を持っておくことが重要です。
この記事では、クマ取り治療の基本や、よくある失敗事例、失敗を防ぐために気をつけるべきポイントを解説します。
クマ取り治療とは?
クマ取り治療とは、目の下にできた「クマ」を改善するために行う美容医療の一種です。クマ取り治療を受けることで、目元の印象が明るくなり、顔全体が若々しく見える効果があります。毎朝メイクで隠す必要がなくなり、慢性的な疲れ顔から脱却できるでしょう。
クマの種類
クマにはいくつかの種類があり、それぞれに適したアプローチが必要です。目の下のクマは大きく分けて「青クマ」「黒クマ」「茶クマ」の3種類に分類されます。クマの種類によって必要となる施術が変わるため、正確に見分けることが必要です。ただし、クマは2種類以上が併発するケースもあるため、自分で判断できない場合はクリニックで相談しましょう。
■クマの種類と特徴
種類 | 特徴 |
青クマ | 血行不良によって皮膚の下の血管が青黒く透けて見えることで起こる。睡眠不足や疲労、ストレスが原因となることが多く、若い世代にも見られる。 |
黒クマ | 加齢によるたるみや目の下の脂肪の突出が原因で、陰影としてクマのように見える。物理的な凸凹が原因のため、スキンケアでは改善が難しい。 |
茶クマ | 色素沈着によるもので、目をこするクセや誤ったお手入れ、紫外線の影響が原因。 |
このうち、美容整形でアプローチできるのは青クマと黒クマです。茶クマの場合は、レーザー治療や内服薬による治療、スキンケアの改善など、美容皮膚科での施術が必要となるでしょう。
主なクマ取り施術の種類
クマ取りの施術には複数あり、クマの原因や希望する仕上がりによって適する施術が異なります。下記で代表的なクマ取りの施術を紹介します。
・経結膜脱脂法
経結膜脱脂法は、まぶたの裏側(結膜側)から脂肪を取り除き、膨らみによって目立つ黒クマを改善する施術です。皮膚に傷が残らず、ダウンタイムが比較的短いという特徴があります。
・裏ハムラ法
裏ハムラ法は、結膜側から切開して、脂肪を目の下のくぼみに移動させて目元の凸凹を整える施術です。適応するクマのタイプは限られますが、自然な仕上がりを求める方に人気があります。
・切開ハムラ法
切開ハムラ法は、皮膚側を切開し、脂肪を移動させて目元の凸凹を整える施術です。同時に余分な皮膚の切除などもできるため、クマだけでなく目元の皮膚のたるみや、それによるシワといった悩みも改善できます。
・脂肪注入
脂肪注入は、目の下の凹みに脂肪を注入して、凸凹を平らにして影を目立たなくする方法です。ほかの施術と併用するケースが多いです。
クマ取り治療の失敗事例
クマ取り治療は目元の印象を大きく改善する可能性がある一方で、「思っていた仕上がりと違う」「逆にクマが目立つようになった」などのトラブルが発生することもあります。ここでは、実際によく聞かれる失敗事例について紹介します。
効果が実感できない
クマ取り治療を受けても「変化がない」と感じる場合は、施術が不十分である可能性があります。特に経結膜脱脂法の場合、脂肪の除去が十分でないと膨らみが残り、「失敗」と感じられるかもしれません。再施術は目元に負荷がかかるため、最初の施術前のカウンセリングで理想の状態を医師とよくすり合わせておくことが必要です。
「クマが新たにできた」と感じる場合は、クマが複合的だった場合も考えられます。例えば、青クマと黒クマが併発している場合、経結膜脱脂術を行うと皮膚の薄さが目立ち、黒クマが改善されても青クマが気になるようになる可能性があります。青クマと黒クマのどちらも気になる場合、経結膜脱脂法と脂肪注入を同時に行う、裏ハムラ法で凹みと膨らみの両方を改善するなどといった方法もあるため、事前に施術内容を医師によく相談しましょう。
目の下に凹みができた
経結膜脱脂術で脂肪を取りすぎた場合、目の下が不自然にくぼんで見えることがあります。特に、年齢を重ねて皮膚にハリがない状態で脂肪を除去すると、凹みがより目立ちやすくなるでしょう。このような場合、後から脂肪注入などで調整が必要になり、手間や費用がかかる場合があります。経験豊富な医師によるバランスの取れた施術が不可欠です。
※ただし、脂肪注入を行った場合でも定着率は個人差があります。
目の下が不自然に膨らんだ
脂肪注入の量が適切でないと、逆に目の下が膨らみすぎて不自然になってしまうこともあります。自然な仕上がりにするためには、骨格や皮膚の状態に合わせた細かな調整が求められます。
前述のように、注入した脂肪はある程度減少していくため、施術を受けたばかりのときは不自然に感じられるかもしれません。時間の経過とともに落ち着いていくため、少し様子を見ることをおすすめします。
ある程度時間が経っても膨らみが気になる場合は、施術したクリニックで相談してください。対処法としては、脂肪溶解注射などで様子を見る、場合によっては切開して取り出すなどがあります。
左右差がある
クマ取りは、明らかな左右差ができないように調整しながら施術します。脂肪の除去量や注入量に差があると、片方だけくぼんで見えたり、ふくらみすぎたりすることがあります。
ただし、ダウンタイム中の腫れなどで一時的に左右差があるように見える場合も。左右差が気になっても、ダウンタイム中は様子を見ることをおすすめします。また、本来人間の体は左右対称ではないため、微妙な違いは出るものと考えておきましょう。
目の下にシワが目立つようになった
経結膜脱脂術を受けた後に、シワが増えたと感じる方もいます。これは脂肪の膨らみが減ったことで皮膚が余り、シワが目立つようになったことが主な要因といえるでしょう。小ジワであれば保湿ケアなどで改善できるケースもありますが、肌のハリや弾力が失われている場合は、改善が難しいケースもあります。
シワがどの程度できるかは、目の下の脂肪の量や肌の乾燥具合、骨格などで変わります。経結膜脱脂法だけでなく脂肪注入も行って、脱脂後のたるみを抑える、切開ハムラ法でクマ取りと同時に皮膚のたるみにもアプローチするなどの対策が考えられます。
注入した脂肪がしこりになった
まれな例ではありますが、注入した脂肪が石灰化し、しこりになってしまうことがあります。石灰化した場合は切開してその部分を取り出す施術が必要です。
クマ取りの失敗を防ぐためには?
クマ取り治療で失敗を避けるためには、事前の情報収集と慎重なクリニック選びが不可欠です。治療前の準備段階でどれだけリスクを把握し、適切な判断ができるかが結果を大きく左右します。ここでは、失敗を防ぐための具体的なポイントを解説します。
信頼できる医師・クリニックを選ぶ
クマ取りの成否は、担当医師の技術力と経験に大きく左右されます。以下の点をチェックして、信頼できる医師・クリニックを選ぶことが大切です。
・技術力が高く、実績があるか確認する
症例数が多く、クマ取りに特化した実績を持つ医師は、さまざまなケースに対応するノウハウを持っています。特に脂肪の扱いや注入のバランスは高度な技術が求められるため、経験豊富な医師を選ぶことが重要です。
・症例写真をしっかり公開しているか
過去の症例写真を多数掲載しているクリニックは、技術に自信がある証拠ともいえます。施術前後の写真が明確で、仕上がりの傾向が自分の理想に近いかどうかも判断材料になります。
カウンセリングを重視する
治療の前段階であるカウンセリングでは、自分の悩みや要望をしっかり伝えられるかどうかが重要です。
・自分の状態に合った施術を提案してくれるか
画一的な治療をすすめるのではなく、自分のクマを見極めた上で、最適なプランを提示してくれる医師を選びましょう。診断の丁寧さは、治療の精度に直結します。
・話しやすく、納得できる説明があるか
不安や疑問に対して、親身になって答えてくれるかどうかもチェックポイントです。カウンセリングで信頼関係を築けない場合、そのまま施術に進むのはリスクが高いでしょう。
症例写真を見る際のポイント
症例写真は、クリニックや医師の技術力を見極めるための貴重な情報源です。しかし、写真の見せ方によって印象が操作されている場合もあるため、注意深くチェックすることが必要です。ここでは、信頼できる症例写真を見分けるポイントを紹介します。
両目が掲載されているか
片目だけの症例写真では、全体のバランスが確認できません。両目が写っていることで、左右対称性や自然な仕上がりを確認することができます。また、目元だけでなく、顔全体の印象がどう変化したかも把握しやすくなります。
角度や色味が同じか(ライトを使用していないか)
症例写真の信ぴょう性を判断する上で、撮影条件は非常に重要です。施術前後で角度や照明、肌の色味に差があると、効果を誇張して見せている可能性があります。自然光の同じ条件下で撮影されている写真が信頼できます。
数ヵ月先までの術後写真を掲載しているか
施術直後は腫れや内出血がある場合もあるため、落ち着いた状態を確認するには、術後数週間から数ヵ月経過した写真が必要です。経過写真が豊富に掲載されているクリニックは、施術結果への責任感が強いと判断できます。
クマ取り失敗と感じる前に正しい情報収集を!
クマ取り治療は、見た目の印象を大きく改善できる一方で、失敗したという方も一定数存在しています。失敗とされる事例の原因は何か、防ぐためには何をすべきかを考え、信頼できる医師やクリニックを選んで施術を受けましょう。丁寧なカウンセリング、症例写真の正しい見方など、事前の情報収集が失敗を防ぐカギとなります。
大切な目元の治療だからこそ、後悔のない選択をするためにしっかり情報収集をして、自分に合った施術や信頼できるクリニックを見つけてください。
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院長 酒井 知子
外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。