医療用HIFU(ハイフ)とは?
HIFUは、日本語で『高密度焦点式超音波』と呼ばれる治療法で、肌の深層(真皮層、脂肪層、SMAS筋膜)へと超音波エネルギーを一点に集中させて照射することで、熱による引き締め効果をもたらします。
美容外科で行われるリフトアップ施術では針やメスを使用しますが、HIFUは肌表面に傷をつけることなく熱刺激での引き締まりやコラーゲンやエラスチンの産生を促進。結果として、たるみ改善やフェイスラインの引き締め、小じわの軽減などが期待できます。
ダウンタイムが少ない理由
HIFUは「非侵襲的(肌を傷つけない)」治療であるため、施術直後から洗顔・メイクが可能なケースがほとんどです。表皮を傷めずに肌の内部にのみ熱を届けるため、赤み・腫れ・皮むけといった強いダウンタイムが起きにくい点が、従来の美容施術と比べた大きなメリットです。ただし、個人差によって軽度な肌反応が出ることもあるため、以下で詳しく見ていきましょう。
HIFU施術後に起こり得る症状(ダウンタイム)
HIFUは一般的に「ダウンタイムが少ない施術」として知られていますが、実際には肌内部に熱エネルギーを加える治療のため、照射後に一時的な反応が起こることもあります。これらは多くの場合、軽度かつ一過性の反応であり、施術効果に伴う正常なプロセスと捉えることができます。主な症状は以下の通りです。
赤み・ほてり
施術直後、照射部分にうっすらと赤みが出たり、軽くほてったような感覚を覚えることがあります。これはHIFU特有の熱エネルギーによる血流の一時的な上昇や、皮膚の軽微な炎症反応によるものです。ほとんどの方が数時間〜翌日までには自然に回復します。
筋肉痛のような違和感
「笑ったときや噛んだときに少し痛む」「皮膚の奥がだるい」といった、筋肉痛のような鈍い痛みや違和感を感じることがあります。これは、HIFUが皮膚よりさらに深いSMAS(表在性筋膜)層まで熱を加える治療であることに起因します。
通常は施術翌日から数日間にかけて徐々に落ち着き、1週間ほどで完全に解消します。痛みの程度はごく軽度で、日常生活に支障をきたすことはほぼありません。
むくみ・腫れ感
体質や照射部位によっては、治療直後〜翌日にかけて軽度のむくみや膨らみ感を自覚することがあります。これは、HIFUによって熱エネルギーの炎症反応によるものや、血管やリンパの流れが一時的に変化し、水分や老廃物の一時的な滞留が起きることによるものです。通常は2〜3日以内に自然と改善され、見た目に分かるような腫れが長引くことは非常に稀です。
乾燥・つっぱり感
HIFUは肌の深部に働きかけるため、表面上にはダメージが見えづらいものの、内部では軽い炎症やバリア機能の一時的な低下が生じています。そのため、施術後は通常よりも肌が乾燥しやすく、つっぱり感やカサつきを感じる方も少なくありません。
このような状態を放置すると肌トラブルにつながる可能性があるため、施術当日から保湿ケアを強化することが大切です。刺激の少ない化粧水や保湿クリームを選び、摩擦を避けるよう優しく塗布しましょう。
内出血・しびれ(かなり稀な副反応)
非常にまれではありますが、照射の際に細かい血管や神経に軽微な刺激が加わることで、内出血やしびれ感、表面の圧痛を感じる場合があります。内出血は、1〜2週間程度で自然吸収されるため、特別な治療は不要です。
また、神経に近い部位(フェイスラインや口元)では、わずかなピリつきや感覚の違和感が出ることもありますが、これも通常は数日〜数週間で徐々に回復します。不安な場合はいつでもクリニックにご相談ください。
ウルトラフォーマーMPTの特長:痛み・ダウンタイム軽減設計
従来のHIFU機器に比べて、ウルトラフォーマーMPTは「痛み」と「ダウンタイム」の両方を大幅に軽減する設計がなされています。最大の特長は、従来の点状照射に加え、線状にエネルギーを届ける「MPモード」を搭載。これにより、エネルギーの分散性が高まり、ピンポイントでの熱集中による痛みや赤みを抑えながら、より広範囲に効果的なリフトアップが可能となりました。
さらに、世界初のペン型ハンドピースを含む4種のカートリッジ(1.5/2.0/3.0/4.5mm)を使い分けることで、皮膚の浅層から深層まで多層的にアプローチ。顔の部位や悩みに合わせた繊細な調整ができ、痛みを最小限にしながら高いリフト効果を得られます。
熱ダメージを抑えつつ効果はそのままに。「HIFU=痛い」というイメージを覆す、次世代のHIFU機器です。
ダウンタイムを最小限に抑えるために施術後のセルフケアのご案内
HIFU施術後のお肌は、内側で熱刺激を受けており、一時的にデリケートな状態になります。ダウンタイムを最小限にとどめ、よりスムーズな回復と美しい仕上がりを目指すためには、ご自宅での丁寧なアフターケアがとても重要です。以下のポイントを参考に、無理のないケアを心がけましょう。
たっぷりの保湿で肌を守る
施術後はバリア機能が一時的にゆらぎやすく、乾燥やつっぱり感を感じやすくなります。そのため、洗顔後すぐに保湿ケアを行い、肌をしっかりと潤すことが大切です。ヒアルロン酸やセラミドなど、保水力の高い成分を含むスキンケアアイテムのご使用をおすすめします。刺激の強い成分(高濃度レチノール・ハイドロキノン・アルコールや香料が高いものなど)は避け、肌にやさしい低刺激処方を選びましょう。
紫外線から肌をしっかり守る
施術直後の肌は、紫外線の影響を通常より強く受けやすい状態です。日焼け止めはSPF・PA値の高いものを使用し、帽子や日傘などの物理的な遮光も併せて行いましょう。屋内でも紫外線はゼロではないため、日中は常にUVケアを意識することが大切です。肌を守ることが、ダウンタイム短縮と施術効果の持続につながります。
血行を過度に促進する行動は控えめに
HIFU直後は、熱の余韻が肌に残っている状態です。そのため、施術当日は血流が過剰に促進される行為(長風呂・サウナ・激しい運動・アルコール摂取など)は避けましょう。これらは赤みや腫れ、むくみが強くなる原因となることがあります。最低でも24時間、できれば48時間は安静な生活を心がけてください。
ダウンタイムを正しく知れば、HIFUはもっと安心して受けられる
HIFUは、切らずにリフトアップやタイトニング効果を実感できる革新的な美容治療です。
その中でも、当院導入のウルトラフォーマーMPTは、「より痛みが少なく、ダウンタイムも最小限」であることが強み。日常生活への影響をほとんど気にせず、効果的な肌改善を目指すことができます。
もし「HIFUに興味はあるけど痛みや副作用が心配」「忙しくてダウンタイムが取れない」というお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当院のカウンセリングへお越しください。

医師 渡辺 佳奈
東京慈恵会医科大学救急科を経て、都内美容皮膚科で経験を積む。
患者様が自分の素顔を好きになるお手伝いをライフワークとし、丁寧な診療を心がけている。レーザー、ドクターズコスメの知識を豊富に持ち、注入治療、外科手術も得意とする。
ポジティブエイジングとナチュラルな健康美をテーマに抗加齢学、美容皮膚科学の研鑽に励む。