脂肪溶解注射に興味はあるものの、「どのくらい腫れるの？」「仕事に影響しない？」と不安を感じる方は少なくありません。施術自体は手軽でも、ダウンタイムが読めないと踏み出しにくいですよね。
そこで今回は、脂肪溶解注射のダウンタイムについて、実際にどんな経過になるのか、日常生活で気をつけたいポイントなどを分かりやすくまとめました。これから受ける方がイメージしやすくなるよう、リアルな情報をお届けします。
脂肪溶解注射のダウンタイムとは
ダウンタイムとは、施術後に日常生活へ戻るまでの“回復期間”のことを指します。脂肪溶解注射の場合は、腫れ・痛み・内出血などが落ち着くまでの時間が該当します。
注射だけで完結するため、脂肪吸引のような外科手術と比べると負担はかなり少なめですが、それでも軽い腫れや痛みが出ることは珍しくありません。
どのくらい症状が出るかは、使う製剤や注入する部位・量、そして体質によって大きく変わります。ほとんど腫れが出ない方もいれば、1週間ほどむくんだような状態が続く方もいます。
だからこそ、自分のスケジュールや体質に合わせて「どれくらい腫れる可能性があるのか」を知っておくことが大切です。ここからは、脂肪溶解注射のダウンタイムについて、実際の経過や出やすい症状をわかりやすくまとめていきます。
ダウンタイムの期間と症状
脂肪溶解注射のダウンタイムは、一般的に数日から1週間程度です。長くても2週間ほどで、ほとんどの症状は落ち着いていきます。
腫れ・むくみ
施術後に最もよく見られる症状が、腫れやむくみです。注入した薬剤によって脂肪細胞が破壊される際に炎症反応が起こるため、施術部位が膨らんだように腫れることがあります。
腫れのピークは施術後2〜3日目頃で、製剤によっては強く出る場合もあります。特に顔への施術では、施術前よりも大きく見えることがあり、「本当に痩せるの？」と不安に感じる方も少なくありません。しかし、これは薬剤がしっかり効いている証拠でもあり、ピークを過ぎると徐々に落ち着いていきます。
一般的には、1週間ほどで腫れが和らぎ、2週間目にはほぼ消失することが多いです。個人差はありますが、早い方では4〜5日で気にならなくなることもあります。
痛み
施術後は、筋肉痛のような鈍い痛みを感じることがあります。触れると痛みが強くなる場合や、表情を作ったり施術部位を動かしたりすると痛みを感じることもありますが、日常生活に支障が出るほどではありません。痛みのピークは腫れと同じく2〜3日目頃で、その後は徐々に落ち着きます。1週間ほどでほとんど気にならなくなることが多いです。
痛みが気になる場合は、鎮痛剤を服用することで和らげることができます。ネクサスクリニックでは、腫れや痛みが出やすい「Fat X Core」の施術を受けられる方に、ロキソニンを処方しております。
内出血
施術では、注射針が毛細血管に触れることで内出血が起こることがあります。皮膚に青あざのような色が現れることがあり、施術直後から出る場合もあれば、翌日以降に徐々に目立つこともあります。
内出血は時間とともに色が変化します。最初は青紫色ですが、やがて黄色っぽくなり、通常は1〜2週間ほどで自然に消えていきます。あまり心配する必要はありませんが、大切な予定がある場合は、2週間ほど余裕を持って施術を受けるのがおすすめです。
その他の症状
施術後は、まれに施術部位に赤みや熱感が出ることがあります。これは体の自然な反応で、多くの場合は数日で落ち着きます。かゆみや軽いしびれを感じる方もいらっしゃいますが、これも一時的なもので、通常は1週間ほどで改善します。
症状が長引いたり、強くなる場合は、クリニックに相談することをおすすめします。
製剤によっても変わる
ダウンタイムの長さは、使用する製剤によって異なります。脂肪溶解注射の主成分であるデオキシコール酸の濃度が高いほど、脂肪を溶かす効果は高くなりますが、その分、腫れや痛みが出やすくなる傾向があります。
つまり、高濃度のFat X Coreやカベリンでは、1週間程度の腫れが出ることもあります。
部位別ダウンタイムの特徴
顔への施術
顔は血管や神経が集中しているため、体に比べて腫れや内出血が出やすい傾向があります。また、人目につきやすい部位なので、ダウンタイムを気にされる方も少なくありません。
頬
顔全体が腫れたように見えることがあります。腫れは3〜4日目頃から落ち着き始め、1週間ほどでかなり改善します。
フェイスライン
腫れにより顔が四角っぽく見えることがあります。エラが張ったように見えたり、施術前より顔が大きく見えることもありますが、1週間ほどで徐々に引き、2週間目にはほぼ消失します。
目周り（こめかみや目の下）
目元まで腫れが広がることがあります。まぶたが腫れぼったくなったり、目が開けにくく感じることもあるため、この部位は特にダウンタイムを慎重に検討することが大切です。
顎下
比較的腫れが出やすい部位で、二重顎がさらに目立って見えることもあります。
体への施術
体への施術は、顔と比べると腫れや内出血などの症状が目立ちにくい傾向があります。服で隠せる部位が多いため、日常生活への影響も少なめです。
二の腕
腕を上げたり動かしたりすると痛みを感じることがあります。腫れはそれほど目立ちませんが、内出血が出やすい部位でもあります。重いものを持つのが辛く感じる方もいますが、数日で落ち着いてきます。
お腹周り
脂肪の量が多いため、複数箇所に注入することが多く、その分腫れも広範囲に出やすくなります。ただし、人目につきにくい部位なので、見た目の心配は少なめです。座ったり立ったりする動作で痛みを感じることがありますが、日常生活に大きな支障はありません。
太もも
歩いたり階段を上り下りしたりする際に痛みを感じることがあります。内出血も比較的出やすい部位ですが、パンツやストッキングで隠せるため、見た目の問題はほとんどありません。施術前後はヒールなどは避けた方が安心かもしれません。
ダウンタイムを短くする方法・施術後の過ごし方
施術当日の過ごし方
施術当日は、血流が良くなることはなるべく控えたほうが安心です。飲酒や長時間の入浴は腫れや内出血を強めることがあるため、シャワーで済ませるくらいがちょうどよいでしょう。
洗顔やメイクは当日から可能ですが、注射した部分は避けるのが安心です。強くこすったり刺激を与えると、薬剤が広がってしまうことがあります。洗顔やクレンジングは優しく行い、タオルで拭くときも軽く押さえるイメージです。
メイクも、注射箇所は避けて周りを軽くカバーする程度が安心です。
より効果を高めるために
施術当日から、軽い運動やマッサージを取り入れると効果が高まりやすくなります。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすとリンパの流れが良くなり、溶けた脂肪の排出を助けてくれます。
ただし、激しい運動は腫れを強めることがあるので、様子を見ながら行うのが安心です。ジョギングや筋トレなど強度の高い運動は、数日経ってから始めるのがおすすめです。
マッサージは、薬剤を均一に広げるのにも役立ちます。施術部位を優しく揉みほぐすように、円を描くイメージで行ってみてください。しこりができている場合も、軽くマッサージすると改善しやすくなります。
冷やす・温めるタイミング
施術後の最初の3日間は、注入部位を冷やすと腫れや炎症を抑えやすくなります。保冷剤をタオルで包み、5〜15分ほど当てるのが目安です。冷やしすぎると血流が悪くなってしまうので、長時間の使用は避けましょう。4日目以降は、逆に注入部位を温めると血行が良くなり、溶けた脂肪の排出がスムーズになります。ゆっくりお風呂に浸かったり、温タオルを当てたりすると効果的です。
冷やす時期と温める時期を使い分けることで、腫れを抑えつつ、施術の効果をしっかり引き出すことができます。
その他の注意点
顔の施術を受けた場合は、就寝時に枕を高くして頭を少し上げると、血液が心臓に戻りやすくなり、むくみや腫れを軽くできます。横向きで寝ると施術部位が圧迫されて痛むことがあるので、できるだけ仰向けが安心です。
また、塩分の多い食事はむくみを強めることがあるため、施術後数日間は控えめに。水分はしっかりと摂ることで、老廃物の排出を助けます。
マスクや服装で上手に隠す
ダウンタイム中の腫れや内出血は、ちょっとした工夫で上手に隠すことができます。
顔の施術なら、マスクが一番手軽です。フェイスラインや顎下の腫れも、ほとんど隠すことができます。目元の腫れには、メガネやサングラスも便利です。伊達メガネやフレームの太めのものを選ぶと、さりげなくカバーできます。
体の施術の場合は、服装で隠せる部位が多くあります。二の腕なら長袖、太ももならパンツやロングスカートを選ぶことで、内出血も気になりません。
スタッフ実体験
〜 Fat X Core 顎下症例 〜
「施術直後はあんまり変化がなくて、『本当に効くのかな…？』って思ってたんですけど、翌日から徐々に腫れが出てきて、2〜3日目がピークでした。二重顎がさらにひどくなったみたいで、ちょっと焦りましたね。触ると鈍い痛みもあって、顎を動かすたびジンジンしました。でも我慢できないほどではなくて、気になるときは鎮痛剤を使いました。」
「1週間くらい経つと腫れが引いてきて、鏡を見ると少しすっきりした感じに。2週間目にはほとんど腫れも痛みもなくなって、顎下がちょっと引き締まったかな、って実感できました。そして1ヶ月後、横から見た輪郭が明らかに変わっていて、『これが脂肪溶解の効果か！』って感動しました。」
「ダウンタイム中は不安もありましたけど、終わってみれば大満足です。Fat X Coreみたいな高濃度の製剤は腫れが出やすいけど、しっかり結果が出るんだなって実感しました。」
当院スタッフの体験でも、施術直後から1週間ほどは腫れが気になることがありますが、2週間でほぼ落ち着き、1ヶ月後には効果を実感できます。ダウンタイム中は不安になることもありますが、ケアをしっかり行えば理想のボディラインに近づけます。
施術を検討されている方は、カウンセリングでダウンタイムの確認をして、予定に合わせた計画を立てるのが安心です。
医師 河合 朝奈
東京女子医科大学卒業後、総合病院にて形成外科の研鑽を積み、手術や皮膚科領域を含めた診療を担当。
その後複数の美容外科・美容皮膚科クリニックにて幅広く経験を積む。
レーザーを用いたシミ・ホクロ除去治療だけでなくアートメイク除去やタトゥー除去の綺麗に跡を残さない治療にこだわり、ヒアルロン酸での丸いおでこ形成、切らない小顔治療、ボトックスでの幸福感に満ちた表情作り、婦人科形成など得意とする。
親身で丁寧なカウンセリングと施術で患者様に寄り添うこと、安全で最善の美容医療を提供することをモットーとし、ナチュラルで魅力的な印象の仕上がりに患者様からの信頼も厚い。
