
自然癒着法は二重整形の一種で、韓国でポピュラーな施術のため、「韓国式」とも呼ばれています。日本でも施術を受けられるクリニックが増えつつあり、二重整形の選択肢のひとつとして考えられるようになってきました。しかし、自然癒着法のメリットやデメリットがわからず、施術を受けるか迷う方もいるのではないでしょうか。また、「埋没法」や「切開法」とは、どのような違いがあるのでしょうか?
今回は自然癒着法について、基礎知識やメリット・デメリット、ほかの施術との違いなどについてご紹介します。
埋没と切開のいいとこ取り?自然癒着法とは

自然癒着法は、二重埋没の一種でありながら、切開法に近い持続力と仕上がりを実現できる二重整形法です。従来の埋没法とは異なり、複雑に糸を通すことでまぶたの内部を「面」で癒着させ、より自然で取れにくい二重ラインを形成します。韓国で広く普及していることから「韓国式」とも呼ばれています。
最大の特徴は、まぶたを切開する必要がなく、なおかつしっかりとした二重ラインを作れる点です。傷跡や糸玉が目立ちにくく、術後の腫れや痛みも比較的軽いため、ダウンタイムが短いのも魅力。施術から約3日後にはメイクが可能になるため、仕事や学校などで忙しい方にも向いています。
二重埋没との違いは?
二重埋没は、糸のかけ方や留め方によってさまざまな種類があり、自然癒着法は二重埋没の「線留め」の一種です。「線留め」は、1本の糸をまぶたに編み込むように通す方法です。輪っか(ループ)状に糸を通すことから「ループ法」といわれることもあり、糸のかかる範囲を広くすることで、自然で持続力の高い二重ラインを作ります。
自然癒着法も複雑に糸をかけて二重を形成する方法ですが、糸で固定するだけでなく、「組織の癒着作用を活用する」点が特徴です。術後の炎症反応によって組織を癒着させることで、より取れにくく、もともと二重だったかのような、自然な二重のラインを形成できるメリットがあります。
二重切開法との違いは?
二重切開法は、まぶたを切開して、余分な皮膚や脂肪などを取り除いて二重を作る方法で、一度形成すると半永久的に二重が持続します。くっきりとした仕上がりになりやすく、デザインの幅も広いというメリットがあります。まぶたのたるみや厚みなども、同時に解消できる点で人気です。
ただし、切開を伴うため、術後の腫れや内出血が大きく、ダウンタイムは長めになります。まぶたに薄く傷跡が残ることも、デメリットといえるでしょう。
自然癒着法は二重埋没の一種であり、自然な癒着で二重を定着させる方法のため、切開は行いません。ほかの二重埋没の施術と同様、ダウンタイムは短めで傷跡が残りにくく、普段の生活への影響も少なく済みます。生まれつきの二重のような、ナチュラルな仕上がりも人気の理由のひとつです。
自然癒着法のデメリット

自然癒着法は、二重埋没法よりも取れにくく、二重切開法よりもダウンタイムが短いといったメリットがあります。ただし、デメリットがないわけではなく、施術を検討する際はリスクや制限も理解しておくことが大切です。
ダウンタイムがある
当然ながら、どのような施術にもダウンタイムは存在します。自然癒着法も例外ではなく、術後数日は腫れや赤み、内出血などが出る可能性があります。メイクは施術から3日後、コンタクトレンズの着用は24時間後から可能ですが、完全に腫れが引くまでには個人差があります。
まぶたに薄い傷が残る場合も
二重切開法ほど目立つものではありませんが、糸を通す際にまぶたにわずかな傷ができることがあります。多くの場合、自然に消えていきますが、まぶたの状態や体質によってはうっすらと跡が残ることもあります。
ごくまれに糸が取れるリスクも
自然癒着法は「取れにくい」とされているものの、100%取れないわけではありません。まぶたへの強い刺激や、術後のケア不足によって、糸が取れたり緩んだりするリスクはゼロではないため、注意が必要です。
眼瞼下垂や皮膚のたるみがあると不向き
まぶたに重度のたるみや眼瞼下垂がある場合、自然癒着法では十分な効果が得られないことがあります。このようなケースでは、二重切開法を含めた別の術式が推奨されることが多く、カウンセリング時に適切な診断を受けることが重要です。
施術できるクリニックが限られている
自然癒着法は比較的新しい術式であり、どのクリニックでも対応できるわけではありません。また、技術を要するため、実績のある医師が在籍しているクリニックを選ぶ必要があります。情報収集とクリニック選びは慎重に行いましょう。
自然癒着法で失敗しないためには?

自然癒着法はナチュラルな仕上がりでダウンタイムが短く、多くの方に適した施術です。しかし、時には「思った仕上がりにならなかった」「左右差が出た」などの失敗が起こる可能性もあります。ここでは、失敗を防ぐために意識すべきポイントを紹介します。
アフターケアを怠らない
施術後のケアは、仕上がりに大きく影響します。特に、自然癒着法は糸を通した部分が癒着する過程で二重ラインを定着させるため、その期間にまぶたに強い刺激が加わると、意図しない位置で癒着してしまうリスクがあります。
安定するまでは、洗顔やメイク、就寝時の姿勢などに注意してください。クリニックでアフターケアの方法を確認しておき、医師の指示をしっかり守ることが理想的な仕上がりにつながります。
経験豊富な医師やクリニックを見つける
自然癒着法は、糸の通し方やデザインの構築に高度な技術が必要です。医師の技術不足や症例経験の少なさが、失敗の原因となることがあります。症例写真や口コミを確認し、できるだけ多くの実績がある医師を選ぶことが重要です。
仕上がりイメージを明確に伝える
「思っていた二重ラインと違った」というトラブルは、自然癒着法に限らず、施術前のカウンセリングでイメージが共有されていなかった場合によく起こります。ナチュラル系かはっきりした二重か、自分の理想をしっかりイメージして伝えることが大切です。
自然癒着法に向いている人は?

二重整形にはさまざまな選択肢がある中で、自然癒着法はどのような方に選ばれているのでしょうか。ここでは、どのような方に自然癒着法が向いているのか、特徴をご紹介します。
より自然な見た目を求めている
自然癒着法の大きな魅力は、もとから二重だったかのような自然な仕上がりです。まぶたの内部で癒着が起こることで、ナチュラルなラインが形成されます。派手すぎず、目元の印象をさりげなく変えたい方におすすめです。
切開せずに二重ラインを形成したい
「メスを入れるのは怖い」「傷跡が心配」といった理由で二重切開法に踏み切れない方にとって、自然癒着法は有力な選択肢となるでしょう。切開を伴わないため痛みが少なくダウンタイムも短めな点がメリットです。
取れにくい二重整形を希望している
一般的な線留め・点留めといった二重埋没では、数年で糸が緩んでラインが消えてしまうことがあります。自然癒着法は、複雑に糸を通すことで癒着を促すため、より取れにくく安定した二重が期待できます。長期間、きれいな状態を保ちたい方に向いています。
ダウンタイムは短いほうがいい
仕事や学校が忙しく、長期休暇が取れない方にとって、ダウンタイムの短さは重要なポイントです。自然癒着法は、3日目からメイクが可能で、コンタクトレンズも24時間後から使用可能。日常生活への支障を最小限に抑えることができます。
自然癒着法の症例写真
施術を受ける前に、実際の症例写真を見ることでビフォーアフターを確認でき、自分が理想とする二重ラインに近い症例があるか判断できます。また、クリニックや医師ごとのデザインの傾向や技術力も把握できるでしょう。
■ネクサスクリニックの自然癒着法の症例写真

自然癒着法でよくある質問
自然癒着法に関するよくある質問をまとめました。施術前の不安や疑問を解消する参考にしてください。
Q 自然癒着法は埋没より痛い?
自然癒着法の施術時は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほぼありません。術後に軽い違和感や腫れ、内出血などが出ることはありますが、日常生活に支障が出るほどではなく、多くの方が「思っていたより楽だった」と感じています。
Q 自然癒着法の傷は目立たない?
自然癒着法の術後の傷は非常に目立ちにくいです。切開を伴わないため、外見上の傷跡はほとんどわかりません。ただし、施術直後は赤みや腫れが出ることがあり、一時的にまぶたが不自然に見えることもあります。これはダウンタイムの一部のため、数日〜1週間ほどで落ち着きます。
Q 自然癒着法はいつからメイクやコンタクトレンズ可能?
メイクは施術から3日後、コンタクトレンズの装着は24時間後から可能です。ただし、完全に腫れが引くまで刺激を与えないことが大切です。落ちにくいアイメイクは特にまぶたに負担をかけるため、術後1週間ほどは控えめにするのが望ましいでしょう。
Q 自然癒着法で失敗したらやり直し可能?
はい、やり直しは可能です。万が一、ラインの位置がずれた、左右差が出たなどの場合でも、再施術によって修正することができます。ただし、時間が経って癒着が強くなった場合は修正が難しくなることもあるため、違和感があったら早めに医師に相談することが重要です。
Q 二重整形したいけど、どの施術がいい?
どの施術が適しているかは、まぶたの状態や理想の目元によって異なります。自然癒着法は切らずに自然な仕上がりを求める方に適していますが、より確実な効果を求めるなら二重切開、ダウンタイムやコストを重視するなら二重埋没という選択もあります。
迷っている場合はカウンセリングで医師と相談しながら施術を決めることも可能です。
デメリットも理解した上で自然癒着法を選択しよう
自然癒着法は、二重埋没の手軽さと二重切開の持続力を兼ね備えた、バランスの良い二重整形術です。切らずに自然な二重ラインを作れるため、「傷を残したくない」「でもしっかりとしたラインが欲しい」といった方にとって、魅力的な選択肢でしょう。
ただし、どのような施術にもデメリットやリスクは存在しており、自然癒着法が向いているかどうかは、まぶたの状態や理想の仕上がりによって異なります。まずは信頼できるクリニックでカウンセリングを受け、最適な施術方法を見つけてください。正しい知識と準備があれば、満足のいく二重ラインを手に入れることができるはずです。
院長 酒井 知子
外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。