
美容整形なしに「自然に二重になった」という話を聞いて、「もしかして自分もなれるかも?」と希望を持ったことがある方は多いのではないでしょうか。
一重から二重になる方法は、マッサージやアイテープなどのセルフケアから、美容整形による方法までさまざまです。確実性が高いのは美容整形ですが、あまりお金と負担をかけずに二重になれるなら、セルフケアを試してみたいと考えるのは当然かもしれません。しかし、セルフケアにはリスクも存在しているため、注意が必要です。
今回は、一重と二重の構造的な違いを解説した上で、セルフケアで二重になれる可能性や特徴、二重整形の選択肢について解説します
そもそもの一重と二重の構造の違いとは?
「一重」と「二重」は見た目の違いだけでなく、実はまぶたの構造そのものが異なり、まぶたを持ち上げる筋肉と皮膚のつながり方に違いがあります。
一重まぶたは、上まぶたを引き上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉が、まぶたの皮膚としっかり癒着していないため、目を開けたときに皮膚が折れ曲がらず、まぶたが平坦に見えます。反対に、二重まぶたはこの筋肉と皮膚が癒着しているため、目を開ける動作で皮膚が引っ張られ、折りたたまれるように二重のラインができるのです。
ただし、中には「二重の構造でも一重に見える」ケースもあります。まぶたの脂肪が多かったり、むくみがあったりすると、二重のラインが隠れてしまっている状態です。そのようなタイプは、体重が減ったりむくみが取れたりすることで、自然と二重に見えるようになる可能性があるでしょう。
このように、一重と二重の違いは単なる見た目だけでなく、構造の違いや脂肪・むくみの状態によっても左右されます。
セルフケアで一重から二重になることは可能?
「毎日アイプチしていたら自然に二重に」「マッサージで二重になった」というような体験談を耳にし、自分も試してみたいと考える方は少なくありません。実際に、セルフケアによって二重が定着した方も一定数存在します。しかし、それが誰にでも当てはまるわけではなく、効果があるかどうかはまぶたの構造によっても左右されます。
セルフケアの方法としては、アイプチやアイテープ、マッサージ、筋肉のトレーニングなどがありますが、根本的に二重まぶたの構造を持っていない方にとっては、一時的な見た目の変化にとどまる場合がほとんどです。根本的に一重の構造を二重に変えることはできません。
また、自己流で続けた場合、目元を傷つけたり、皮膚が伸びたり、色素沈着が起きたりといったリスクもあります。特に、強くこするようなマッサージや、長期間にわたるアイテープの使用には注意が必要です。
セルフケアで二重になれるかどうかは、生まれつきの構造による部分も大きく、その効果ははっきりわかりません。過度に期待せず、正しい知識と方法で取り組むことが重要です。
アイプチのリスクについては下記の記事をご覧ください。
アイプチのやりすぎはリスクあり?危険なサインと解決策を解説
セルフケアで二重になれる方の特徴

セルフケアの効果ははっきりわかりませんが、比較的短期間で癖づけが成功する方には、ある程度共通した特徴があるようです。下記に当てはまる場合、セルフケアを試してみてもいいかもしれません。
まぶたの脂肪が薄い
まず大きなポイントが、まぶたの脂肪の厚さです。まぶたに脂肪が多いと、折りたたまれるはずの皮膚が重みによって持ち上がらず、二重のラインができにくくなります。反対に、脂肪が少ないまぶたは軽く、皮膚が折れやすいため、アイプチやアイテープなどでの癖づけも簡単で、比較的自然に二重になりやすい傾向があります。
蒙古ひだが張っておらず皮膚が柔らかい
蒙古ひだとは、上まぶたの内側から目頭にかかる皮膚の膜のことです。アジア人に多く見られ、蒙古ひだが強く張っていると、まぶたの動きが制限され、二重ラインができにくくなります。また、まぶたの皮膚が硬いと、癖がつきにくいため、セルフケアの効果も出にくいでしょう。
皮膚が柔らかく、蒙古ひだが少ないと、セルフケアでの変化が現れやすい傾向にあります。
元々二重まぶたの構造をしている
現時点で一重であっても「まぶたの構造的には二重」という方も存在します。つまり、筋肉と皮膚が癒着しており、二重のラインはあるものの、脂肪やむくみによってそれが隠れているだけの状態です。このような場合は、マッサージや生活習慣の改善によってむくみが取れると、自然に二重のラインが現れることがあります。
二重を形成する整形手術

セルフケアでの二重形成は、まぶたの構造や条件によって成功率が大きく左右されます。そのため、どうしても二重になりたい、確実な変化を求めたいという場合は、美容整形の選択肢も視野に入れるといいでしょう。美容クリニックでは、二重を作るための手術法が複数あり、目的やまぶたの状態、ダウンタイムの有無によって適切な方法を選ぶことができます。
ここでは、代表的な二重整形手術である「二重埋没法」と「二重切開法」について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
二重埋没法
二重埋没法は、医療用の糸をまぶたの内側に通して二重のラインを作る方法で、糸のかけ方や留め方によって術式が複数あり、理想の仕上がりや費用などで方法を選択できます。切開を伴わないためダウンタイムが短く、体や日常生活に影響しにくいというメリットもあります。糸を外せばもとに戻せるため、ある程度デザインの変更が可能で、「まずは美容整形を試してみたい」という方にとっても魅力的な選択肢となるでしょう。
デメリットとしては、効果は永久ではなく、糸が緩んだり取れたりする可能性があることが挙げられます。再施術は可能ですが、まぶたの状態や希望するデザインなどによって二重埋没法があまり向かない方もいるため、カウンセリングで医師としっかり相談することが必要です。
■ネクサスクリニックの二重埋没法の症例写真

二重切開法
二重切開法は、まぶたをメスで切開し、半永久的な二重ラインを作る方法です。施術時に脂肪除去や皮膚のたるみ取りなどが二重ラインの形成と同時に対応できるため、目元の悩みが複数ある方にメリットの多い施術です。二重埋没の糸が何度か取れてしまった方や、まぶたの状態などで二重埋没にあまり向かない方にも、二重切開法は選ばれています。
切開を行うため、ダウンタイムは二重埋没より長いことはデメリットといえるでしょう。半永久的な二重ができることが魅力ですが、もとに戻すことや、デザインの修正はできないため、その点も考慮が必要です。
■ネクサスクリニックの二重切開法の症例写真

埋没と切開の違いについては下記の記事をご覧ください。
二重整形にはどんな種類がある?埋没法と切開法の違いとは
自分に合った二重の作り方を見つけよう
一重から二重になりたい方の選択肢はさまざまです。中にはセルフケアを続けるうちに自然に二重になったという方もいますが、効果があるとは限らず、リスクがあることも念頭に置かなければなりません。
確実に二重を手に入れたい、またはセルフケアでの変化が難しいと感じている場合は、美容クリニックでの二重整形を検討するのもひとつの選択肢です。二重埋没法や二重切開法など、まぶたの状態に合わせた施術が可能なため、まずは専門医によるカウンセリングを受けることをおすすめします。
自分のまぶたのタイプや目的に合った方法を正しく理解し、納得のいく形で理想の二重を目指しましょう。
院長 酒井 知子
外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。