
「二重の幅が左右で違って見える」「片方の目だけ印象が違う」――。こうした左右の目の形や大きさが違って見える状態は「雌雄眼(しゆうがん)」とも呼ばれます。人の顔は左右対称が美しいとされることが多いため、二重に左右差がある場合、気になって悩む方は少なくありません。
本来、人の体は完全な左右対称ではなく、目の形や大きさも左右で違いがあるのが当然です。それでも、明らかに片方だけ印象が違うと、気になるのは当然のことでしょう。メイクなどで目立たなくする方法もありますが、根本的に改善する方法として「二重整形」という手もあります。
今回は、二重に左右差が出る原因や対称にする方法、その注意点などをご紹介します。
二重に左右差ができる原因
人間の顔や体は本来、完全な左右対称ではないため、多少の左右差は誰にでもあります。しかしその差が大きい場合、気になって悩む人は多いようです。
ここでは、二重に左右差ができる原因についてご紹介します。
遺伝的な要因
二重に左右差が出る場合、もっとも多い原因は「遺伝」です。目の大きさや骨格、まぶたの脂肪のつき方などは遺伝の影響を強く受けます。
二重まぶたは優性遺伝のため、両親のどちらかが二重の場合、子供も二重になる可能性が高いです。しかし、両親のどちらかが二重でどちらかが一重、またはどちらかが雌雄眼などという場合、その特徴を受け継いで、二重に左右差が出ることがあります。
生活習慣やくせ
生活習慣やくせによって二重に左右差が生じる場合もあります。例えば、利き目(優位眼)や左右の視力差によって片方の目だけを使っていたり、片方の目をこするくせがあったりする場合、まぶたにかかる筋肉の使い方に偏りが出ます。座るときに足を組む、猫背である、片方に体重をかけて立つなどでも、体のバランスが歪むことで、顔の骨格や表情筋に影響することがあるでしょう。
また、アイプチやアイテープなどの頻繁な利用はまぶたに負担がかかり、皮膚が伸びたりたるんだりした結果、二重に左右差が出ることがあります。誤った使い方によって、左右の二重のラインに異なったくせがつく可能性も考えられます。
アイプチの使い過ぎについては下記の記事をご覧ください。
加齢によるたるみや筋力の低下
加齢も二重に左右差が起きる大きな原因のひとつです。年齢を重ねると、まぶたの皮膚がたるんだり、まぶたを引き上げる筋肉が衰えたりすることで、二重のラインが変わることがあります。
特に「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と呼ばれる、まぶたが下がってくる状態になると、まぶたが正常に開かなくなり、二重の左右差が強調されることがあります。
過去の二重整形の影響
過去に二重整形を受けたことがある方は、その施術の影響で左右差が出る場合もあります。二重埋没後に糸が緩んだり取れたりすることで片方のラインが変化したり、二重全切開でも術後の腫れや皮膚の癒着が非対称に起こったりすることで、左右差が目立つことがあります。
また、医師の技術力やデザインのセンスが十分でなかった場合、初めから左右差が出やすい状態になることも。こうしたリスクを避けるためには、症例数が豊富で、実績のあるクリニックや医師を慎重に選ぶことが重要です。
二重の左右差を解消する方法

二重の左右差が気になる場合、どのように対処すればいいのでしょうか。程度や原因に応じて、自分に合った解消法を選ぶことが大切です。ここでは、手軽にできる方法から、より確実な整形手術まで、代表的な対処法を紹介します。
メイクで左右差を目立たなくする
左右差が軽度の場合は、メイクでバランスを整える方法が有効です。例えば、二重幅が狭い側にはアイシャドウを濃いめに入れて立体感を出す、アイラインの引き方を調整するなど、視覚的な効果で左右の印象を近づけることができます。
また、二重幅に差がある場合は、アイシャドウの色をグラデーションにして、目の形を整えて見せるテクニックもあります。慣れるまで練習が必要ですが、整形に頼らず日常的に対処できる手段として有効です。
アイプチやアイテープで二重を調整する
メイクよりも明確に二重の形を整えたい場合は、アイプチやアイテープの使用が適しています。左右どちらかのまぶたにのみ使用することで、左右差を一時的に整えることが可能です。
ただし、長期間の使用や強い接着力のある製品を使い続けると、まぶたの皮膚に負担がかかり、たるみや色素沈着の原因になることがあります。また、毎日の貼り方にばらつきがあると、かえって左右差が強調される場合もあるため、丁寧な使用が求められるでしょう。
二重整形で根本的に解消する
より確実に左右差を改善したい場合は、美容整形による二重手術が選択肢となるでしょう。二重整形には「二重埋没」と「二重全切開」の大きく2種類があり、まぶたの状態や希望する仕上がりに応じて適した施術が異なります。
一般的に、左右差の調整には二重埋没が選ばれることが多くなっています。二重埋没は糸でまぶたを留めて二重を形成する方法で、ダウンタイムが短く、仕上がりの微調整もしやすいのが特徴です。ただし、まぶたが厚い、たるみが強いといった場合には二重全切開が適していることもあります。
埋没と切開の違いについては下記の記事をご覧ください。
片目だけ二重整形は可能?

左右差を整えるために「片目だけ整形したい」と考える方も少なくありません。片目だけの二重整形は可能ですが、左右のバランスを整えるためには高い技術力が必要であり、注意すべきポイントがいくつか存在します。ここでは片目のみ二重整形する場合の注意点を解説しましょう。
慎重な判断が必要
片目のみの二重整形は可能です。ただし、両目のバランスを取るためには繊細な調整が求められます。特に元々の目の形や筋肉の使い方、まぶたの厚みなどが左右で異なる場合、わずかな違いでも仕上がりに大きな差になる可能性があるでしょう。信頼できる医師やクリニックを見つけ、しっかり相談しながら施術を決めることが重要です。
また、片目のみ施術した場合、ダウンタイム中に腫れたり内出血が出たりするのは片目だけのため、一時的に左右差が余計に目立つ点には注意してください。
片目施術の費用は安くなる?
片目のみの施術は、両目施術に比べて費用が抑えられる傾向があります。ただし、半額になるというわけではなく、多くのクリニックでは両目の3〜4割ほどの割引にとどまります。
費用面で考えるなら、今後もう片方の目も整形する予定がある場合、最初から両目同時に施術することで、コストの削減につながります。また、デザインによっては整形で形成した二重もかなり自然な印象になりますが、元々の二重の目と比べると、くい込みの加減などで違いを感じるかもしれません。
費用だけでなく、長期的な仕上がりやメンテナンスの観点から、片目だけ施術するか両目で施術するかを検討してください。迷った場合は、医師のカウンセリングの際に、片目だけ施術するメリット・デメリット、両目施術するメリット・デメリットについて、説明を受けるといいでしょう。
二重の左右差が気になるなら二重整形も選択肢に
人の体は完全な左右対称ではないため、二重に左右差があるのは自然なことです。左右差がある目はミステリアスで魅力的と考える方も多いですが、気になって悩んでいる方もまた多いもの。軽度の左右差であれば、メイクやアイプチ、テープなどで目立たなくすることが可能ですが、根本的に解消したい場合は、二重整形を検討するのもひとつの選択肢です。
片目だけの二重整形は可能ですし、両目とも施術を受けてより自然な二重ラインを目指すこともできます。二重の左右差で悩んでいる場合は、まずは無料カウンセリングで相談してみてもいいでしょう。

院長 酒井 知子
外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。