AGA治療を調べていると、内服薬のほかに「メソセラピー」という選択肢が出てきて、どう違うのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。似たような目的の治療でも、薬の届け方や治療の続け方には違いがあります。

この記事では、内服薬とAGAメソセラピーのアプローチの違いを整理しながら、それぞれの特徴や組み合わせ方について解説します。
AGAメソセラピーと内服薬はどう違う?
薬を「飲む」内服と、頭皮へ「注入する」メソセラピー
AGAメソセラピーと内服薬のわかりやすい違いは、薬剤を届ける方法です。
内服薬は、服用した成分が体内で吸収され、血流を通じて頭皮を含む全身へ届きます。一方、メソセラピーは、薄毛が気になる部分の頭皮へ薬剤を直接注入する治療です。局所へ薬剤を届けるため、内服薬に比べて全身への影響を抑えられる可能性があります。
治療の続け方や通院頻度も異なる
内服薬は、基本的に自宅でご自身の管理で服用していただきます。定期的な診察は必要ですが、施術のために頻繁に通院する必要がなく、生活に取り入れやすい治療です。一方で、十分な効果を得るためには、飲み忘れに注意しながら継続することが大切です。
AGAメソセラピーは、使用する薬剤や治療計画によって異なりますが、数週間〜1か月に1回のペースで施術を受けます。毎日薬を管理する必要はないものの、定期的に通院するための時間を確保する必要があります。
起こり得る副作用にも違いがある
内服薬は成分が全身を巡るため、薬の種類によっては全身に関わる副作用が生じることがあります。AGAメソセラピーでは、施術後に頭皮の赤みや腫れ、内出血などがみられる場合があります。使用する薬剤や投与量、体質などを踏まえて、医師と相談しながら治療方法を選ぶことが大切です。
内服薬はどのように薄毛へアプローチする?
内服薬といっても、AGA治療に使われる薬は作用の目的が異なります。大きく分けると「薄毛の進行を抑える」薬と「発毛に働きかける」薬の2種類があります。

フィナステリド・デュタステリドはAGAの進行を抑える
フィナステリドとデュタステリドは、AGAの原因となる男性ホルモンの働きを抑える薬です。AGAではテストステロンが変換された「DHT(ジヒドロテストステロン)」が毛包にダメージを与え、薄毛が進行します。これらの薬はDHTの生成を抑えることで、薄毛の進行を遅らせることを目的としています。
すでに薄くなった部分を元に戻す発毛効果よりも、これ以上進行させないという「守り」の役割が中心です。
ミノキシジル内服は発毛に働きかける
ミノキシジルの内服薬は、血管を拡張させて血流を促進し、毛乳頭や毛母細胞への栄養供給をサポートすることで発毛を促す薬です。外用薬とは吸収される量が異なり、より全身への影響が出やすい傾向があります。
内服だからこそ知っておきたい全身への影響
内服薬は効果が全身に及ぶ分、薬剤固有の副作用が出る可能性があります。フィナステリド・デュタステリドでは性欲の変化などが報告されており、ミノキシジル内服では多毛(顔や体の毛が増える)・動悸・むくみなどが起こることがあります。
副作用の出方には個人差が大きく、問題なく継続できる方が多い一方で、体質によっては気になる症状が出ることもあります。内服を検討する際は、あらかじめ副作用やリスクを知っておくことが大切です。
AGAメソセラピーはどのように使われる?

気になる部分へ薬剤を直接注入
AGAメソセラピーは、発毛・育毛に働きかける薬剤を頭皮に注射する治療です。生え際・頭頂部・つむじまわりなど、特に気になる部位を確認しながら注入できる点が特徴のひとつです。
注入方法はメソガン(専用機器を使った均一な注入)と、医師による手打ち(部位や深さを細かく調整しながらの注入)の2種類があります。どちらも気になる部位へしっかりアプローチできますが、状態や希望に応じて選択できます。
使用する製剤によって目的や特徴が異なる
メソセラピーはどの薬剤を使うかで、アプローチの目的が変わります。血管拡張・血流促進を目的とするものもあれば、成長因子を届けることで細胞レベルへのアプローチを狙うものもあります。なお、AGAメソセラピーは内服薬のように大規模な臨床試験が積み重ねられているわけではなく、エビデンスの蓄積という点では発展途上の段階にある治療です。
NEXUSクリニックではHARGとミノキシジルを用意
NEXUSクリニックでは、ミノキシジル注射とHARG療法の2種類を用意しています。ミノキシジル注射は血流促進・育毛サポートを目的とした製剤で、HARG療法は幹細胞培養上清液・成長因子などを含むカクテルを注入する再生医療的なアプローチです。
それぞれの製剤について詳しくは、AGAメソセラピーの効果についての記事をご覧ください。
AGAメソセラピーとは?製剤・注入方法・効果を解説|HARG・ミノキシジルも紹介
内服薬とAGAメソセラピーは併用できる?
内服薬とAGAメソセラピーは併用できますが、必ずしも最初からすべての治療を取り入れる必要はありません。薄毛の状態や体質、副作用への不安などに応じて、治療の始め方を選択できます。

内服・外用薬と組み合わせて治療効果を高める
AGA治療では、内服・外用薬にAGAメソセラピーを組み合わせることも少なくありません。特に、生え際や頭頂部など、薄毛が気になる部分を集中的にケアしたい場合に検討されます。
内服薬の副作用が気になる場合はメソセラピーから始める
内服治療に抵抗がある場合は、まずメソセラピーから始めて、経過を見る方法もあります。
たとえば、ミノキシジル内服による血圧への影響や多毛、フィナステリド・デュタステリドによる性欲減退などが不安な場合です。ただし、メソセラピーも全身への影響がまったくないわけではないので、医師と相談して治療方法を決めましょう。
治療への反応を見ながら段階的に追加する
最初から複数の治療を組み合わせず、一つの治療から始めて、経過を見ながら追加していくこともあります。
メソセラピーから始めて内服・外用薬を追加する場合もあれば、内服・外用薬で十分な変化が見られない場合に、メソセラピーを取り入れることもあります。副作用や通院頻度、費用なども踏まえて、無理なく続けられる治療計画を立てることが大切です。
AGA治療は症状や希望に合わせて選ぼう
AGAの進行度や気になる部位、治療にかけられる時間、副作用への不安は人それぞれです。内服・外用薬を中心に治療する方もいれば、メソセラピーから始めたり、複数の治療を組み合わせたりする方もいます。医師と相談しながら、ご自身の希望に合った、無理なく続けられる治療方法を見つけることが大切です。
NEXUSクリニックでは、薄毛の状態やこれまでの治療歴、生活スタイルなどを確認したうえで、内服・外用薬、HARG療法、ミノキシジル注射などから治療をご提案しています。まだ治療方法が決まっていない方や、まずは自分に合う方法を知りたい方も、お気軽にご相談ください。
医師 松元 美佳
愛知医科大学卒業後、総合内科診療を経て美容医療の分野へ。複数の美容クリニックで経験を重ねてきた。
ヒアルロン酸やボトックスを中心とした注入治療を専門とし、顔全体のバランスを見極めた設計を行う。アラガン社MDコードに基づく理論的アプローチを実践し、公式トレーナーとして医師指導も担う。解剖学に基づいた安全な手技と、0.1mm単位で注入量や角度を調整する精度で、違和感のない自然な仕上がりを得意とする。
カウンセリングでは、「どうなりたいか」という想いを軸に、その方にとって最適な治療方針をともに描いていく。