銀座 美容外科 ネクサスクリニック 10:00-19:00(不定休)

コンデンスリッチファット(CRF)とは?高い定着率を実現する脂肪注入の最新技術

脂肪注入について調べていると、「コンデンスリッチファット(CRF)」という言葉をよく目にしませんか?

「そもそもコンデンスリッチファット(CRF)って何?」と気になっている方も多いはずです。従来の脂肪注入では定着率の低さやしこりのリスクが課題でしたが、CRFはそうした悩みを改善する最新の方法です。今回は、CRFの仕組みや作り方、適応部位、メリットについてわかりやすくご紹介します。

コンデンスリッチファット(CRF)とは

不純物を徹底的に除去した濃縮脂肪

コンデンスリッチファット(CRF)とは、英語で「Condensed Rich Fat」、日本語では「濃縮された豊かな脂肪」を意味します。採取した脂肪から不純物を徹底的に取り除き、健康で質の高い脂肪細胞だけを濃縮したものです。

実は、採取したばかりの脂肪には、死んだ脂肪細胞や老化した脂肪細胞、血液、水分、麻酔液、細胞の破片など、さまざまな不純物が混ざっています。これらをそのまま注入すると、定着率が下がるだけでなく、しこりや石灰化といったトラブルの原因にもなります。

CRFは特許技術を使った遠心分離で不純物を丁寧に取り除き、圧力処理に耐えられる健康な脂肪細胞だけを残します。この「元気で生着しやすい脂肪」のみ注入することで、定着率を高めることができるのです。

従来の脂肪注入との違い

従来の脂肪注入では、脂肪を採取してもほとんど手を加えず、そのまま注入するか、簡単に洗浄・ろ過する程度で使われることが多くありました。そのため、血液や水分、老化した脂肪細胞、死活細胞などの不純物が多く残ったまま注入され、脂肪細胞が生き残りにくくなることがありました。さらに、採取から注入までの間に脂肪が空気に触れたり、処理が雑になったりすることで、感染や不純物混入のリスクもありました。

こうした方法では、「脂肪の質の管理」や「精製方法」「無菌状態の確保」が不十分になりやすく、仕上がりや安全性に不安が残りやすかったのです。

CRFの生成手順を詳しく解説

CRFがどのように作られるのか、その工程を順を追って説明していきます。

STEP1:専用シリンジで脂肪を採取

まず、太ももやお尻など脂肪の質が良い部位から、専用のシリンジと吸引カニューレを使って脂肪を採取します。採取前にはチュメセント液という麻酔液を注入します。これにより脂肪が柔らかくなり、均一に吸引しやすくなるほか、吸引時の痛みも軽減されます。

STEP2:チュメセント液(麻酔液)を分離

採取した脂肪は数分で、脂肪と麻酔液が自然に分かれます。脂肪は上に浮かび、麻酔液は下に沈むため、この段階で麻酔液だけを取り除きます。

この時点で残っているのは脂肪ですが、まだ血液や細胞の破片などの不純物が多く含まれています。従来の方法では、このまま注入することもありましたが、CRFではここからさらに加工を行い、より定着しやすい脂肪へと精製していきます。

STEP3:遠心分離(通常の25倍の圧力)

麻酔液を除いた脂肪は、専用のウェイトフィルター付きシリンジに移します。このシリンジを遠心分離機にかけると、脂肪に強い圧力がかかります。その圧力は通常の遠心分離の約25倍ですが、元気で健康な脂肪細胞は耐えられます。一方で、弱った脂肪細胞は潰れて液体になり、自然と取り除かれます。

この工程は、脂肪細胞の“耐久テスト”のようなもので、圧力に耐えた元気な脂肪だけが残り、定着しやすい状態になるのです。使用する遠心分離機は、アメリカFDA(日本でいう厚生労働省にあたる機関)の承認を受けた安全な装置なので、安心して注入に進むことができます。

STEP4:三層に分離(排泄オイル・CRF・不純物)

遠心分離にかけると、シリンジの中身は自然に三層に分かれます。
一番上には、圧力に耐えられず潰れた古い脂肪細胞や死活細胞が液体になった「排泄オイル」が浮かびます。中央には、元気で定着しやすい脂肪細胞、つまりコンデンスリッチファット(CRF)が残り、下には血液や細胞の破片などの不純物が沈みます。

ウェイトフィルターには液体だけを通す小さな穴があり、上部の排泄オイルは自然に分離されます。一方で、中央の健全な脂肪はフィルターによって守られ、シリンジ内にしっかり残ります。最後に、上部のオイルを吸い取り、下部の不純物は押し出して廃棄。こうして、注入に最適な純粋なCRFだけが残るのです。

STEP5:外気に触れないまま完成

ここまでの工程はすべて、密閉されたシリンジの中で行われます。脂肪が外気に触れることなく、無菌の状態で精製されるため、衛生面でも安心です。空気中には目に見えない菌やホコリが浮遊していますが、従来法ではこれらが脂肪に混ざり、感染のリスクになることもありました。CRFでは、こうしたリスクを大幅に抑えることができます。

精製されたCRFは、そのまま注射器に移され、顔やバストなど気になる部位に注入されます。

CRFのメリット

高い定着率(50〜70%)

CRFの最大のメリットは、なんといっても高い定着率です。従来の脂肪注入では、定着率が約40%ほどと言われていましたが、CRFでは50〜70%もの高い定着率が期待できます。

なぜこれほど定着率が高いのでしょうか。それは、注入する脂肪が「健全で元気な脂肪細胞」だけでできているからです。老化した細胞や死んだ細胞は取り除かれているため、注入された脂肪のほとんどが新しい環境でもしっかり生き残ります。

さらに、1ccあたりの脂肪細胞の密度が高いことも定着率を高めるポイントです。不純物が取り除かれている分、同じ量でもより多くの元気な脂肪細胞を注入できるのです。

しこり・石灰化のリスク低減

従来の脂肪注入で最も懸念されていたのが、しこりや石灰化といったトラブルです。これらは主に、死活細胞や老化細胞が原因で発生します。

注入した脂肪の中に死んだ細胞や弱った細胞が多く含まれていると、それらの細胞は定着できずに壊死してしまいます。壊死した脂肪は体内で硬化し、しこりや石灰化を引き起こすのです。

CRFでは、こうしたリスクの高い細胞があらかじめ除去されているため、しこりや石灰化が起こりにくくなります。もちろん、注入方法や注入量によってもリスクは変わりますが、脂肪の質という面では、CRFは非常に優れているといえます。

感染症リスクの大幅削減

すべての工程を外気に触れないまま行うことで、感染症のリスクが大幅に削減されます。手術における感染症は、空気中の菌やホコリが傷口や移植物に付着することで発生します。

CRFでは、脂肪が一度も外気に触れることなく、無菌状態が保たれたまま注入されます。脂肪加工中も密閉されたシリンジ内で完結するため、外部からの汚染のリスクがほとんどありません。

適応部位とナノファットとの違い

CRFが適している部位

CRFは、ボリュームを出したい部位にぴったりの脂肪注入です。おでこやこめかみ、頬の上部、ほうれい線、あごなど、ふっくらとした丸みを出したい部分に向いています。

これらの部位はある程度のボリュームが必要なため、粒子のしっかりしたCRFが適しています。健全な脂肪細胞が集まったCRFは、ボリューム感を出しつつも自然な仕上がりが期待できるのが特徴です。特に頬やこめかみは動きが少ないため、脂肪が安定しやすく、長く効果を実感しやすい部位です。

ナノファットが適している部位

一方で、ナノファットはCRFをさらに細かく加工した脂肪です。特殊な装置で微細化されており、とても滑らかな脂肪になります。

ナノファットが向いているのは、涙袋や目の際、唇、目の下など、皮膚が薄くデリケートな部位です。通常の脂肪やCRFを注入すると、表面がデコボコしたりしこりになることがありますが、ナノファットなら粒子が細かいため、薄い皮膚の下でも均等に広がり、凹凸になりにくいのが特徴です。

当院のコンデンスリッチファット(CRF)メニュー

ネクサスクリニックでは、コンデンスリッチファット(CRF)を使ったさまざまなメニューをご用意しています。中でも、「コンデンス入れ放題メニュー」は、気になる複数の部位にまとめてCRFを注入できるお得なプランです。おでこ、こめかみ、頬、ほうれい線など、顔全体のボリュームアップを希望される方に特に人気があります。一度の施術で複数箇所を改善できるので、何度も通う手間も省けます。

自然なボリューム感を実現するコンデンスリッチファット注入

年齢とともに、こめかみや頬、おでこなど顔の骨や脂肪は少しずつ萎縮し、コケた印象になりがちです。そんな変化をカバーして、自然に若々しい印象を取り戻せるのが脂肪注入の魅力です。

特にコンデンスリッチファット(CRF)を使えば、質の高い脂肪だけを注入できるため、定着率も高く、半永久的にふっくらとしたボリュームをキープできます。おでこやこめかみ、頬などボリュームを出したい部分にはCRF、涙袋や唇などデリケートな部分にはナノファットを使い分けることで、より自然で美しい仕上がりが可能となります。

年齢によるコケ感や疲れ顔が気になる方は、脂肪注入で理想の顔立ちを手に入れてみてはいかがでしょうか。

▶︎ 無料カウンセリング予約はこちら

この記事の監修者
酒井 知子

院長 酒井 知子

外科領域では特に二重埋没を得意とする。Instagramでお馴染みの“バレづらい魔法の二重術”は、連日全国から患者様が殺到するほどの人気ぶりで、症例数は年間3000件以上にも及ぶ。
その他、糸リフトや注入治療、若返り施術を数多く経験。
またレーザーやドクターズコスメなどの美容皮膚科領域に関しても深い知識を持ち、全国から幅広い層のファンを集めている。プライベートでは1児の母。管理栄養士から医師への転身という異色の経歴を持ち、体の内面と外面の両方から美しさを実現するスペシャリスト。趣味は料理。