顔面神経麻痺の後、「目が閉じにくい」「笑ったときの左右差が気になる」などの症状が残ることがあります。後遺症にはリハビリテーションやボツリヌストキシン治療などが行われていますが、症状が長引くケースもあります。
NEXUSクリニックでは、エムフェイスのHIFES®が表情筋に刺激を与える特性に着目し、顔面神経麻痺の後遺症への応用可能性を検証しています。この記事では、顔面神経麻痺の仕組みや後遺症、エムフェイスに着目する理由を解説します。
顔面神経麻痺とは?主な症状や原因を解説

顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かす神経の働きが低下し、表情を作りにくくなる状態です。まずは、顔面神経の役割や主な症状、原因について見ていきます。
顔面神経と表情筋の関係
顔面神経は、脳から表情筋へ指令を伝え、笑う・目を閉じる・口を動かすといった顔の動きをコントロールする神経です。顔面神経麻痺は、何らかの原因で顔面神経の働きが低下し、表情筋へ指令が伝わりにくくなることで、顔を動かしづらくなる状態です。
顔面神経麻痺でみられる主な症状
顔面神経麻痺では、以下のような症状がみられることがあります。
- 額にシワを寄せにくい・眉が上がりにくい
- 目を閉じにくい・完全に閉じられない
- 口角が下がる・食べ物や飲み物がこぼれやすい
- 笑ったときなどに表情の左右差が生じる
症状の程度には個人差がありますが、末梢性の顔面神経麻痺では、顔の片側に症状が現れることが一般的です。
顔面神経麻痺の主な原因
顔面神経麻痺にはさまざまな原因があります。代表的なものにベル麻痺があり、ウイルスの関与などが考えられています。また、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こるハント症候群では、顔面神経麻痺に加えて耳の痛みや発疹などを伴うことがあります。そのほか、外傷や腫瘍、手術などが原因となる場合もあります。
顔面神経麻痺の後遺症では何が起こる?

顔面神経麻痺は徐々に改善することも多い一方で、一部では表情の左右差やこわばり、病的共同運動などの後遺症が残ることがあります。後遺症としてみられる代表的な状態について解説します。
表情筋の動きの低下・こわばり・拘縮
麻痺によって表情筋を十分に動かせない状態が続いたり、神経が回復する過程で筋肉の動きに偏りが生じたりすると、表情筋の動きの低下やこわばり、拘縮がみられることがあります。その結果、自然な表情を作りにくくなったり、顔の左右差が目立ったりする場合があります。
病的共同運動
病的共同運動とは、顔の一部分を動かそうとした際に、意図していない別の部分まで一緒に動いてしまう状態です。
例えば、笑って口角を上げようとすると同時に目が閉じてしまう、といった症状がみられることがあります。顔面神経が回復する過程で、神経線維が本来とは異なる筋肉へつながることなどが原因のひとつと考えられています。
顔面神経麻痺の後遺症に行われる主な治療
後遺症に対しては、表情筋の動きを整えるリハビリテーションや、こわばった筋肉を伸ばすストレッチなどが行われます。
病的共同運動や筋肉の過緊張に対しては、ボツリヌストキシン治療が選択されることもあります。また、症状や程度によっては外科的治療が検討される場合もあります。
顔面神経麻痺に対してエムフェイスに着目する理由

エムフェイスは、表情筋に電気刺激を与えて筋収縮を促す治療機器です。顔面神経麻痺の後遺症に対して、なぜこの仕組みに着目しているのかを解説します。
HIFES®で表情筋にアプローチ
エムフェイスに搭載されているHIFES®(High-Intensity Facial Electrical Stimulation)は、顔の特定の筋肉に電気刺激を与え、筋収縮を促す技術です。美容医療では、表情筋へ刺激を与えることで、顔の筋肉にアプローチする施術として用いられています。
一方、顔面神経麻痺に対する電気刺激療法は、有効性や適切な刺激方法について現在も議論があり、一般的な治療として確立されているものではありません。
NEXUSクリニックでは、HIFES®が表情筋へ刺激を与えられる特性に着目し、顔面神経麻痺の後遺症に対してどのような可能性があるのか、症状や筋肉の状態を確認しながら検証しています。
顔面神経そのものを修復・再生する治療ではない
エムフェイスは、障害された顔面神経そのものを修復・再生する治療ではありません。神経の損傷を直接治療するものではなく、あくまで表情筋に刺激を与えるという観点からのアプローチです。また、顔面神経麻痺に対するエムフェイスの有効性は、現時点では確立されていません。NEXUSクリニックでは、新たな治療の可能性を探るため、症例を集積しながら検証を進めています。
一人ひとりに合わせてエムフェイスを照射する理由
顔面神経麻痺の後遺症は、症状の程度や発症からの期間、表情筋の動き、こわばり、病的共同運動の有無など、一人ひとり状態が異なります。そのため、通常の美容目的と同じ方法ではなく、それぞれの状態に合わせて照射を検討することが重要です。
NEXUSクリニックでは、初回にエコー(超音波検査)で表情筋の状態を確認し、照射する部位や出力を個別に設計しています。形成外科専門医・山崎医師の監修のもと、顔面や表情筋の状態を確認しながら施術を行います。
NEXUSクリニックで行っている検証について

顔面神経麻痺の後遺症などに対するエムフェイスの可能性を検証するため、症例を集積しています。現在の対象や取り組みについてご紹介します。
検証の対象となる方
現在NEXUSクリニックでは、以下のような方を対象に症例を集積しています。
- ベル麻痺・ハント症候群などによる顔面神経麻痺の後遺症として、表情筋の動きの低下や左右差、こわばりなどが残っている方
- ボトックス施術後に、表情の動かしにくさや左右差、違和感が続いている方
すべての方が対象となるわけではありません。発症からの期間や麻痺の程度、現在の神経・表情筋の状態などを診察し、医師が適応を判断します。
症例を集積し、治療の可能性を検証
NEXUSクリニックでは、エムフェイスによる表情筋への刺激が、顔面神経麻痺の後遺症やボトックス施術後の症状にどのような変化をもたらすのか、症例を集積しながら検証しています。
現時点では顔面神経麻痺に対するエムフェイスの有効性は確立されておらず、効果を保証するものではありません。症例データを蓄積し、今後の治療の可能性を探るとともに、学会発表などを通じた知見の共有につなげることを目的としています。
【モニター募集】顔面神経麻痺・ボトックス施術後に生じた症状に対するエムフェイスの可能性を検証する取り組み
顔面神経麻痺の後遺症にお悩みの方へ

顔面神経麻痺の後遺症は、症状や表情筋の状態によって適したアプローチが異なります。NEXUSクリニックでは、一人ひとりの状態を確認したうえで、エムフェイスによる施術の適応を判断しています。
表情の左右差や動かしにくさなどが続いている方は、お気軽にご相談ください。
技術指導医 山崎 俊
形成外科医として18年、美容外科医として10年以上の豊富な経験を持ち、数多くの外科施術を手がけてきた実力派ドクター。日本形成外科学会専門医・指導医として、再建やマイクロサージャリーの分野にも精通しています。
フェイスリフト、目周りの切開手術、クマ取り、鼻手術、乳房手術など幅広い施術に対応し、形成外科で培った確かな技術と知識を美容医療に応用。常に安全性と確実性を重視した診療を行っています。
穏やかで丁寧なカウンセリングにも定評があり、多くのお客様から厚い信頼を得ています。